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・地域おこし協力隊の給料って実際いくらもらえるの?
・地域おこし協力隊の給料が知りたい
・地域おこし協力隊の給料だけで暮らしていけるって本当?
地域おこし協力隊に興味があるけれど、給料の実体が分からず不安ではないですか?
生活を支える収入をしっかり確認しないまま行動に移すと、大きなリスクを抱えることになります。
なぜなら、現役隊員のわたしが先に“失敗”してしまったからです。
その失敗から得られた「実際の収支データ」をご覧いただくことで、実体に近い給料事情が分かります。
本記事では、地域おこし協力隊の給料の金額を家計データを基に、図表を用いて分かりやすく解説していきます。
安心してください。今抱えている「実際の給料はいくらもらえるのか?」というお悩みは解決します。
具体的な給料事情を知った上で、ご自身の生活設計に役立ててみて下さい。
こんにちは!当ブログを運営している「こばだんな @iju_kobayashike」です。
- 地域おこし協力隊の給料は「16万6千円~22万5千円」で設定されていることが多い
- 給料が16万6千円に設定されているところは、制度変更前の運用が続いている自治体
→制度変更によって段階的に「報償費」の上限が引き上げられている。 - 脱サラして地域おこし協力隊になる場合は要注意
→1年目は社会保険や税負担が大きく手取り額は10万以下も。 - 地域おこし協力隊は月額20万円以上でも働ける
地域おこし協力隊の給料は、結論からいうと「16万6千円~22万5千円」の範囲で設定されていることが多いです。
わたしも当初16万6千円の給料で設定されていましたが、年度途中から22万5千円に変更になりました。
なぜこんな中途半端な金額で設定されているかというと、総務省の地域おこし協力隊制度で設定されている「報償費」の予算で、各自治体が独自で設定しているからです。
地域おこし協力隊の制度について具体的に確認してみましょう。
(3)地域おこし協力隊員の活動に要する経費
地域おこし協力隊推進要綱 – 総務省
地域おこし協力隊員の活動に要する経費については地域おこし協力隊員1人あたり470万円を上限(うち報償費等については270万円を上限、報償費等以外の活動に要する経費については200万円を上限)とする。
上記の記載は、総務省の地域おこし協力隊推進要綱の記載を抜粋したものです。
「報償費」が地域おこし協力隊の給料に充てられる予算額を指します。
もう1つの「報償費等以外の活動に要する経費」のことを「活動費」と呼ぶことも多いですが、こちらは上限が年間200万円となっています。
今回は”地域おこし協力隊の給料”のお話なので、直接隊員に支払われる「報償費」のことだと思ってもらえればOKです。
年間「270万円を上限」とすると書いてあるから、月額に換算すると22万5千円が上限になるということだね。
すでにいろいろな自治体の「地域おこし協力隊の募集要項」をみたことがある方は、少し疑問に思うかもしれません。
「22万5千円」て書いている自治体もあるけど、
「16万6千円」って書いてる自治体も多くないですか?
なんでそうなっているの?
そうなんです。
わたしも当時地域おこし協力隊の募集を探している時に、給料が「16万6千円」となっている自治体が多くて不思議に思っていました。
この理由は「地域おこし協力隊の制度変更」が関係しています。
制度変更の具体的な内容は、総務省が発行している事務連絡に書いてあります。
1.地方財政措置について
事務連 絡 令和2 年 2 月 4 日|総務省
地域おこし協力隊員の活動に要する経費に係る特別交付税措置については、現在、地域おこし協力隊員1人あたり 400 万円を上限(うち報償費等については 200 万円を上限、報償費等以外の活動に要する経費については 200 万円を上限)としているところ、令和2年度は、期末手当等の各種手当の支給に係る経費を含めて地域おこし協力隊員1人あたり 440 万円を上限(うち報償費等については 240 万円を上限、報償費等以外の活動に要する経費については 200 万円を上限)とする。
なお、令和3年度は地域おこし協力隊員1人あたり 470 万円を上限(うち報償費等については 270 万円を上限)とし、令和4年度以降は地域おこし協力隊員1人あたり 480 万円を上限(うち報償費等については 280 万円を上限)とする予定である。
長文で書かれると少しわかりづらいので、タイムラインで整理してみると下記のようになります。
地域おこし協力隊の報酬等:「400万円」
・報償費等「上限200万円」⇒月額16万6千円
・地域おこし協力隊の活動に関する経費「上限200万」
地域おこし協力隊の報酬等:「440万円」
・報償費等「上限240万円」⇒月額20万円
・地域おこし協力隊の活動に関する経費「上限200万」
地域おこし協力隊の報酬等:「470万円」
・報償費等「上限270万円」⇒月額22万5千円
・地域おこし協力隊の活動に関する経費「上限200万」
地域おこし協力隊の報酬等:「480万円」
・報償費等「上限280万円」⇒月額23万3千円
・地域おこし協力隊の活動に関する経費「上限200万」
いかがでしょうか。
地域おこし協力隊の給料(報償費等の予算)は、その上限金額が段階的に引き上げられていることが分かります。
「16万6千円」で給料が設定されているのは、当初の報償費等の「上限200万円」を12か月で割った金額が反映されているんだね。
つまり、「16万6千円」で地域おこし協力隊の給料を設定しているのは、「当初制度のまま地域おこし協力隊を運用している自治体である」ということです。
どうせ地域おこし協力隊になるのであれば、収入となる給料の金額が多い方がいいですよね。
募集要項で必ず給料の金額をチェックするようにしましょう。
地域おこし協力隊の募集要項の読み解き方には、こちらの記事でもまとめております。
これから具体的に募集要項を確認していく方はぜひご覧ください。
地域おこし協力隊の給料を語る上で押さえておきたい前提として、「自治体ごとに金額が変わっている」点を解説しておきたいと思います。
総務省の制度なのに、なぜ自治体によって給料が変わるの?
その理由は、地域おこし協力隊をめぐるお金の流れを知ることで理解することができます。
地域おこし協力隊の運用は、各地方自治体に任されています。
まずは自治体が「地域おこし協力隊に関する経費」を立替払いで運用します。
その後、年度末に国から補填を受ける構図になっています。
行政の内部の手続きも見て見ましょう。
各自治体の地域おこし協力隊を採用したい主管部門は、まず予算を確保しなければなりません。
地域おこし協力隊の採用経費を”立て替えて運用する予算”を捻出できるかは、各自治体の主管部門と財務部門の間のやりとりで決まります。
財政に余力があったり、地域おこし協力隊の活躍に期待して予算を割いてもいいと判断された場合は、財務部門も予算を認めてくれる流れのようですね。
ご覧いただいた通り、国の地域おこし協力隊の経費の補填金額一律の上限があっても、各自治体に運用が任されているので「地域おこし協力隊の給料」が自治体ごとに変わります。
ここからは、地域おこし協力隊の給料の詳細について解説していきます。
わたしの地域おこし協力隊の給料は、任期中に「166,000円」の時期と「225,000円」に引き上げられた時期があるので、2つご紹介します。
この点を踏まえて、地域おこし協力隊になったわたしの家計簿を見てみましょう。
これは、私が移住して半年間単身赴任で1人暮らしをしていた時の暮らしの家計データです。
社会保険(健康保険料・国民年金保険料)や住民税は、一般的な会社員と比較してみることができるよう、納付書の金額を月割り金額にして当て込んでいます。
(実際は年払いとかなので、月ごとに変動がありますがご了承ください。)
収入 | ・報酬(入金額) →合計 | 166,000円 166,000円 |
支出 | ・健康保険料(任意継続) ・住民税 ・国民年金保険料 ・電気代 ・水道代 ・ガス代 ・食費 ・日用品 ・交通費 ・自動車ローン(自家用車) ・自動車(燃料等) ・通信費 ・交際費 ・民間保険 ・雑費 ・iDeCo ・積立NISA ・家賃 ・車両リース費用(活動車両) →合計 | 33,820円 21,792円 16,100円 8,100円 1,760円 3,300円 32,000円 2,600円 3,000円 9,600円 6,500円 3,500円 7,600円 15,840円 1,870円 10,000円 28,808円 0円 0円 206,190円 |
残高 | 166,000(収入)- 206,190(支出) | -40,190円 |
ご覧の通り、地域おこし協力隊になってから赤字家計ですね。
分かりやすいように「手取り金額」をピックアップしてみたいと思います。
収入 | ・報酬(入金額) →合計 | 166,000円 166,000円 |
支出 | ・健康保険料(任意継続) ・住民税 ・国民年金保険料 →合計 | 33,820円 21,792円 16,100円 71,712円 |
手取り金額 | 166,000(収入)- 71,712(支出:社会保険+税金) | 94,288円 |
社会保険や住民税を差し引くと、なんと手取り金額は「94,288円」になりました。
脱サラ初年度の社会保険、住民税は会社を辞める前の年収がベースになって計算されているので、非常に高いわけです…
僕は地域おこし協力隊になる前の会社の年収が「550万円」くらいでした。
月30万円くらい収入があれば、それなりに払える金額ですが今は厳しいです。
手取り10万円以下w
詫びろ!
地域おこし協力隊における雇用形態の違いは、社会保険に大きく影響します。
雇用形態の違いでどんなことが変わるのかは、こちらの記事で解説しているのであわせてご覧ください
地域おこし協力隊の給料だけで生活できるかというと、結論としては「1年目」は厳しいです。
社会保険の負担が減る2年目・3年目は、所得水準が落ち込んだものに対して税負担や保険料が算定されるので少し落ち着くと思います。
それでも、副業をして個人の収入をあげていかないと「家族持ち」が家計を支えるには難しいという感触です。
上記のグラフは、当記事執筆時点(地域おこし協力隊になって半年)の収支の推移グラフです。
赤い支出の棒グラフが青い収入の棒グラフより高い月の方が多く、結果的に紫色の収支の棒グラフがマイナスであることが続いています。
わたしの場合は、1年目に妻が妊娠、出産をして第2子も生まれました。
そのため、収入の柱は完全にわたしの地域おこし協力隊の収入だったんですよね。
毎月の家計簿をつけて、家庭の金融資産を確認していると貯金が目減りしているのが分かりました。
嫌だなー嫌だなー貧乏ライフ。誰かさんの稼ぎが少ないせいだな~
頑張ります!!頑張らせてください!
地域おこし協力隊を志す方で、家庭をお持ちの方は「収入の見込み」について家族でよく話し合い、ご理解いただいてから実行に移すのが得策だと思います。
会社を退職して挑戦する場合は、一時的に収入が下がることもあるからです。
地域おこし協力隊として都心部から田舎の方へ移住すると、収入は少なくても生活にかかるお金は下がるのでは?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
支出の大部分を占める「家賃」・「駐車場」は間違いなく下がります。
都内で2LDK+駐車場を借りていた時は家賃が11.6万円
今は淡路島で3DK+駐車場2台分で5.1万円。
部屋も大きくなっているのに家賃が半減。
しかも今は地域おこし協力隊なので0円。
しかし、それ以外の支出は思ったより大きく変わりません。
おすそ分けや貸し借りで賄えるものもたくさんありますので、かなり助かっているのも正直なところですが、全体の支出からするとそこまで支出は減らないですね。
お米などの主食はもらえると超助かる。
淡路島なので玉ねぎやレタスなどももらうので、野菜を買う機会も減りました。
田舎に移住することで、劇的に支出が減らせると過度な期待はやめておきましょう。
考え方としては、生きるために絶対に必要な「住まい」の固定費(家賃など)を下げることができるので、「家計の改善できる余地が増えた」という感覚がいいと思います。
都心部だろうと田舎だろうと、浪費をしていては貯まるお金も貯まりません。
固定費を下げ、収入をアップさせる努力は必要です。
もちろん、地域おこし協力隊はご家族がいる方にとって、非常に有用な移住の制度であることは間違いありません。
地域おこし協力隊の報償費から3年間固定収入を得ることができますし、「家賃0円」・「敷金・礼金・仲介手数料負担なし」(活動経費から支出されるので)で住まいもも手に入る好条件です。
ぜひ活用してみてください。
月々の収支状況は、当ブログのタグクラウド検索「 #田舎暮らしの収支報告 」より記事をご覧いただくことができます。
ここまで「地域おこし協力隊の給料」について実態についてご紹介してきました。
現状、地域おこし協力隊の給料は最大で「22万5千円(年間の報償費上限270万円)」となっています。
どうせなら高い給料をもらいながら働きたい!
給料がなるべく高い募集を探すなら「JOIN(移住・交流推進機構)」の地域おこし協力隊ページで検索するのがオススメです。
募集を検索するページでは、「報酬月額」の金額を条件に募集を検索することができます。
当記事を書いている時点では、報酬月額を20万円以上で検索したところ、100件以上の募集がでていました。
移住後の生活にも、ある程度お金がかかってきます。
田舎で「家賃」なしなら、月20万円以上あればかなり生活は楽になると思います。
ぼくも途中から報酬が22万5千円に上がって超助かりました。
何せ任期中に子どもが一人増えたのでお金がかかるかかるw
地域おこし協力隊の募集を選ぶ際、上記の検索機能を活用して探してみてください。
- 地域おこし協力隊の給料は「16万6千円~22万5千円」で設定されていることが多い
- 給料が16万6千円に設定されているところは制度変更前の運用が続いている自治体
→制度変更によって段階的に「報償費」の上限が引き上げられている。 - 脱サラして地域おこし協力隊になる場合は要注意
→年目は社会保険や税負担が大きく手取り額は10万以下も。 - 地域おこし協力隊は月額20万円以上でも働ける
地域おこし協力隊になる場合は、地方へ移住して新しい暮らしがスタートします。
移住前より収入額も変わる(多くは減収)可能性があるため、田舎の生活費を把握するのも大切です。
田舎の生活費については、こちらのnote記事も参考になると思いますので、合わせてご覧ください。
他人の家計簿、覗けます。
— ライターこばだんな|移住の人🧅 (@iju_kobayashike) August 16, 2022
移住相談セミナーの時や各メディアのインタビューでよく聞かれた「移住後の生活費」を1年分データレポートにして有料noteにしました(2万字🙇)
『#地方移住 したいけど、生活費いくらかかるの?』が分からず、悩まれてる方へ届いたらいいな!
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