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地域おこし協力隊ってどんな仕事をするんだろう?
ミッション型とフリーミッション型の違いって何?
地域おこし協力隊について調べていて「ミッション型」・「フリーミッション型」というキーワードについて疑問をお持ちのあなたへ。
ここで「ミッション型」「フリーミッション型」の特徴を知らないと、あなたの望まない働き方で3年間を過ごすことになってしまうかもしれません。
本記事では、東京から淡路島に移住をして地域おこし協力隊として活動をしている現役隊員の私が地域おこし協力隊の仕事の違いである「ミッション型」・「フリーミッション型」について解説していきます。
この記事を読み終えた頃には、あなたが地域おこし協力隊の募集要項を読んだ時に、その募集がミッション型なのかフリーミッション型なのかが一目で分かるようになります。
こんにちは!当ブログを運営している「こばだんな @iju_kobayashike」です。
- 地域おこし協力隊のミッション=期待されていること
→入隊後の仕事をイメージできる材料になる - ミッション型は、スムーズに活動に入れるが自由度は相対的に低い
- フリーミッション型は、自由度が高いが向き不向きがある
- 募集要項から見極めるには”記載の粒度感”を捉えて判断しよう
→たくさんの事例を見比べてみよう!
地域おこし協力隊には、“ミッション”と呼ばれる課題のようなものだいたい提示されています。
具体的に募集要項から中身をみていきましょう。
JOIN(一般社団法人移住・交流推進機構)のホームページに掲載されている地域おこし協力隊情報から募集要項を抜粋しました。
上記の内容は、京都府宮津市の募集情報のミッションの掲載です。
「ミッション」という言葉は地域おこし協力隊制度では出てこない言葉で、自治体がこうして「この自治体の”ミッション”は○○です」という形で掲載していない場合もあります。
宮津市はとってもミッションがわかりやすいね!
また、募集要項の「業務概要」を見てみると
~地域課題解決型地域おこし協力隊~
宮津市上宮津地区(上宮津地域会議)が進めている観光プランづくりやホンモロコの養殖、移住・定住のモデルづくりなどの地域課題解決の取り組みへの支援
このような書きっぷりです。
パッとみてみていかがでしょうか。
ミッションとは、着任後の仕事内容がイメージできるような記載があったり、地域が求めていることなどを書いていたりします。
すなわち、ミッションとは、地域おこし協力隊として期待されていることが書かかれていると捉えてもらってOKです。
- ミッション型
- フリーミッション型
地域おこし協力隊のミッションには大別すると2つの傾向があります。
この2つの傾向の違いが分かると、自分がやりたい働き方や向き不向きがわかるので、自分に合ったミッションを選択することで地域おこし協力隊になった後のやりがいや理想の働き方を実現することができます。
逆に、この違いを正しく理解せずに飛び込んでしまうと、地域おこし協力隊に入った後にストレスがやばくなったり、最悪途中で地域おこし協力隊を辞めることになる可能性もあります。
自分に合った”ミッション”を選ぶことが重要だよ!
ミッション型は、”募集要項に記載されている業務内容をやる”のが基本です。
地域おこし協力隊の募集がでている地域では、応募を出す前に地域と自治体が協議の上、受け入れを行う準備をしています。
総務省の地域おこし協力隊の受入れに関する手引きの中を読み解くと、こんなことがかかれています。
【よくある質問】
問2 初めて隊員の募集を行います。募集に際して気をつけたほうが良い点があれば教えてください。
答2 地域おこし協力隊の募集・採用に当たっては、まずは受入地域において隊員の活動内容、受け入れたい人材像、受入人数、活動体制などを十分検討する必要があります(チェックリスト「隊員の受入準備に当たって」参照)。その上で、地域での活動に関心や意欲のある人材に効果的に募集情報を発信することが重要です。
自治体の方では、受け入れる地域でどんな活動をしてほしいかを十分検討する必要があると書かれています。
すなわち、地域が抱えている課題や不足していることを話し合い、うちの地域には「こんな人が必要だ!」と明確に打ち出している地域がミッション型の仕事内容になっています。
ミッション型の場合は、明確にやる仕事が決まっているので着任してすぐ具体的な仕事に入りやすいですし、周りの方もそのつもりでいろいろ支援をしてくれますので、スムーズに活動を展開することができます。
フリーミッション型の場合、明日からやることが決まっていないため、かなり困惑します。
人によっては進め方がわからずストレスがかかる場合もあり、それに比べるとミッション型は活動迷子にならないところがメリットです。
自分がやりたい仕事内容と合致している場合は、確実にその分野の仕事をすることが決まっているため、ミスマッチが少なくなります。
やることが決まっているので、それ以外のことをやりたいとなった場合に自由に動きづらいところがあります。
また、想定されている業務があるので働き方としてもそこに縛られ、自由度は高くないのもデメリットの1つです。
求められている仕事内容と自分がやりたい分野がマッチしていると飛び込みやすいのがミッション型ですね!
フリーミッション型は、課題の設定を自ら行い、自由に活動に取り組むタイプの仕事です。
自分で必要だと思うことを考えてやってみて!
フリーミッション型では、ある程度の方向性については自治体の方で決めたりしているものの、具体的な施策の内容については、地域おこし協力隊の隊員のスキルや感性にゆだねています。
地域に入って地域を知りながら課題を見つけ
できることを0→1で見出して実行していくタフな仕事ですね
フリーミッション型の場合は、その名の通り“フリー=自由度”が圧倒的に高いです。
自分がやっていく取り組み自体も自分で決めていくことになります。
地域に入って課題を見つけ、その課題を解決するためにできることを自分で決めてやっていくような形です。
なので、自治体や地域によしとされれば自分がやりたいことを仕事として進めることができます。
やることが決まっていない=自分で決めることになっているので、“自由すぎる”が表裏一体でデメリットになります。
これは”自由”の悪い面で、「何をしたらいいか分からない」「何から始めたらいいか困る」「迷子になる」といったことが挙げられます。基本的に自分発信で物事がスタートしていくので、取り組みを企画しないと活動自体がスタートしません。
また、すでに走っている活動や共に活動する仲間もいない場合があるので、最初は孤立感を感じることが多いのもデメリットの1つです。
私もフリーミッション型を味わってみてこの孤立感は確かに感じました。
なにせなんでもいいっていうので自分がやりたいことをしようとすると基本一人から始まるんですよね…
ミッション型とフリーミッション型のメリットデメリットについてご紹介しました。
僕はどっちのタイプが向いているんだろう…
ミッション型かなぁ…
今読み進められている方、こんな風に思っていませんか?
MISSION
こんな方は“ミッション型“に向いている!
- ミッション=自分のやりたいことと合致している人
- ミッションを通じて自分の将来像に近づけそうな人
- 既にある仕組みに乗っかりながら活動をしていきたい人
ミッション型では、取り組む業務内容が明示されていることが多いです。
そのため、地域で求められているミッションが自分がやりたいことや将来の自分に必要だと思っている分野の仕事の場合は、経験や実績を作りながら仕事を進めることができるのでオススメです。
私の場合はフリーミッション型とミッション型のハイブリッドみたいなところがあるのですが、「空き家の活用」というミッション型の仕事がありました。
空き家をDIYしたり家を活用していく仕事に興味があって、経験を積みたかったので協力隊に応募したんだよね。
実際に、私がしているミッション型の「空き家を活用して地域の拠点を作る」という仕事は建物のリノベーションの過程をたどっています。
私自身も協力隊になる前にDIYに興味を持ち始め、家でDIYをしたり電気工事士の資格を取得したりしました。
また、もともと”地域おこし協力隊になりたい”から地域おこし協力隊に目指すというわけではなく、地方に移住をしたくてその手段として地域おこし協力隊を使いたいという方もいらっしゃるかと思います。
その場合、フリーミッション型のように自ら課題意識をもってタフに働いていくというよりも、ある程度固定的に収入を得ながら移住したい場所にソフトランディングしていくことができるので、ミッション型が向いているかもしれません。
ミッション型の場合、純粋に働いてくことに関してはやることが決まっているので働き始めの初動はスムーズかと思います。
ミッション型は就農などの場合、機材やノウハウ・人脈など用意されていて活用できる状態が多いので、今ある仕組みを使って進めていくことができるよ!
FREE MISSION
こんな方は”フリーミッション型”に向いている!
- 0→1でミッションをつくることからやるのができそうな人
- とにかく自由に地域おこしの仕事がしたい人
- 自分で物事を進めていくことが”苦じゃない”タフさがある人
フリーミッション型の場合は、着任してすぐの頃は「明日やることが決まっていない」状態からスタートします。
おそらくまずは地域をよく知るところから始まるかと思います。
・地域について知り
・課題を設定して
・どういったアプローチで地域おこしの施策を動かしていくかを決め
・関係者にプレゼンテーションをして同意を得て
・実際にミッションとして動かしていく
こんな調査→企画→実行→評価のようなサイクルを一人でも回していけるような人はフリーミッション型でも大丈夫だと思います。
なので、私自身は新卒で地域おこし協力隊になるような場合はフリーミッション型はオススメしません。
ある程度社会人経験を踏んで、自分で仕事を動かして周りを巻き込めるような技量や経験がないと、かなりストレスフルな状態で仕事を進めることになるのではないかと思います。
私自身、社会人経験があったからこそかなり自由にやれていますが、会社での経験や培ったノウハウがなかったらうまく進めていける自信なかったなと思います。
これらを踏まえてフリーミッション型に向いているのは、こうした0→1を作るようなことが好きな人や、自分の持っているスキルを活かして自由に地域おこしに関わっていきたいと考えている人です。
フリーミッション型の場合は、誰も「地域おこし活動の答え」はもっていません。
なので自分が活動の目的やゴールなどを設定して進めていくタフさが必要と私は感じました。
ミッション型に比べて考えることは多いですが、その代わりに自由にやれる余白があるのでやりがいもあります。
そして何より本当に自由に活動ができるので、自分が考えていることを体現したい方にはフリーミッション型は超オススメです!
学校の美術の時間で、絵を描く授業があったとして
ミッション型は模写や塗り絵などある程度絵を描いた先のゴールが見える状態からスタート。
フリーミッション型の場合は真っ白いキャンパスに何を描くか決めるところからスタートする感覚です。
さて、ここからは実際の募集要項を読み解いていく際に、この内容は「ミッション型」っぽいのか「フリーミッション型」っぽいのか読み解いていくにはどうすればいいかについて解説します。
募集要項の記載の粒度感で確かめよう!
募集要項を読み解いていく際、その業務内容や課題の記載の粒度感にアンテナを張りましょう。
実際に私が受けた地域おこし協力隊の募集のミッションの内容を見てみましょう。
・地域内における新産業の創出(宿泊等)※
・地域内に既存する生業の支援(継業等)
・その他、当該地域の活性化に資するものと認められる活動を支援又は自ら行うこと
※地域内にある空き家を活用すること
いかがでしょう?めっちゃざっくりしていますよね。
これは全体的に「記載の粒度が荒い」状態で、フリーミッション型の特徴です。
記載の粒度が荒いということは活動の余白が多いということです
実際、私がどのような業務をすることにしたかは下記で深堀していきますね。
・地域内における新産業の創出(宿泊等)※
※地域内にある空き家を活用すること
上記の内容はフリーミッション型の枠には入るくらいざっくりしていますが、※印の一文にもある通り地域に中にある「空き家を活用して、宿泊を伴う産業を創出する」流れになっていました。
ただ、空き家をどう活用していくかは実際は私の企画で決まるところがあるので、自由度は高いです。
当記事執筆現在では、簡易宿泊所にすべくいろいろ調査を進めているところです!
・地域内に既存する生業の支援(継業等)
上記の内容もフリーミッション型ですね。ざっくりしています。
“継業等”とありますが、今回の活動地域には農産物を生産している生産者がいたのですが、高齢ということで辞めてしまった農作物がありました。これを継業してもいいよ~という趣旨だったと思うのですが、私は農業はそんなに興味がなかったのでやっていません。
実際には、エンジニア時代に培ったIT系のスキルを活かして集落の情報を発信しているWebサイトや集落内で事業を営んでいる観光農園のWebサイトの修正や運用サポートを担うことにしました。
レンタルサーバーの情報やWordPressのサイトの状況を確認して見直せるところは見直し、サイトの修正作業をしています。
・その他、当該地域の活性化に資するものと認められる活動を支援又は自ら行うこと
この記載なんかはもろフリーミッション型ですよね。
もう自分で考えて好きなように地域おこしして!
そんな声が聞こえてきそうです。
実際こちらの文面通り私が考えたことを企画書にまとめて、自治体・集落の方と同意を得て施策を動かしています。
今は限界集落を丸ごとGoogleストリートビューにする地図作りプロジェクトとして活動をしています。
いかがでしたでしょうか?
私が活動している地域の実際の募集要項の内容とその後の実業務を照らし合わせてみると、ミッションの記載粒度が荒いだけあって私が自由に活動しているのが見てとれたと思います。
実際、地域おこしとして有用だと認められたものは何でもできる感覚です!
では、やることがある程度決まっているミッション型の場合、募集要項の記載はどうなっているでしょうか。
おなじみJOINのWebサイトから募集要項の記載を見てみましょう。
上の画像は、ブログ執筆時点で募集が出ていた茨城県常陸太田市の地域おこし協力隊の応募情報です。
常陸太田市の特産物「常陸秋そば」の将来の担い手を募集します。
そば栽培等(そばの播種,収穫~販売・飲食店でのそば打ち等)の実務に従事し,必要な技術習得に努めていただきながら,常陸秋そばの地域おこしに取り組みます。
そば栽培の実務に従事してそばを生業にする担い手になるための業務であることが具体的に伝わってきます。
継業の要素が強い地域おこしのミッションですね
○活動例
・研修先にて実務研修に従事し,そばの栽培およびそば打ちの技術習得
・そば協議会等関係機関と連携した、県内外への常陸秋そばのPRサポート
・農家との取次ぎ(援農ボランティアの募集等) など
活動例を見てみると、そばに関する具体的な研修をしたりそば打ちの技術習得をすると書いており、かなり細かい粒度感で記載されていることが分かります。
そば協議会等の関係機関とつながれるのは、ぽっと出の移住者にはまず難しい…
そば打ちに興味がある人なら地域おこし協力隊のネームバリューを使ってこうした人脈やパイプを得ることができるのはとても有用だと思います。
(例:委嘱年数ごと)
1年目:研修先において,常陸秋そばの栽培技術の習得,そば打ち技術の習得
2年目:技術習得に努めながら,そば栽培の研究や特産品開発,常陸秋そばのPRサポート
3年目:常陸秋そばのブランド向上に努め,また自身の定住に向けた就農・新しいビジネスプランの構築
※あくまで例になります。活動は,協力隊のビジョンと協議しながら取り組んでいただきます。
この募集は3年ある任期の流れも具体的に記載があります。
一応”例”とありますので、自分の進めたい方向性で進めることができる余白もあると思いますが、おおむね自治体の期待する方向性は具体例から読み取ることができますね。
1~2年目はしっかりそば打ちの修行をして、3年目には卒隊後に向けて自身の活動に時間を使っても大丈夫そうな雰囲気が感じ取れます。
- 地域おこし協力隊のミッション=期待されていること
→入隊後の仕事をイメージできる材料になる - ミッション型は、スムーズに活動に入れるが自由度は相対的に低い
- フリーミッション型は、自由度が高いが向き不向きがある
- 募集要項から見極めるには”記載の粒度感”を捉えて判断しよう
→たくさんの事例を見比べてみよう!
いかがだったでしょうか!
具体的な事例ベースで募集要項の読み解き方について参考になればいいなと思います。
募集要項の読み解き方については、こちらの記事でもガッツリ解説しているのでぜひ確認してみてね