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・地域おこし協力隊の任期終了後って仕事どうしているの?
・卒隊後の住まいってどうしているの?
・地域の人との人間関係って変わるの?
こんな疑問に答えます。
- 地域おこし協力隊の任期終了時の流れ
- 地域おこし協力隊の任期終了後のお仕事・キャリアの事例
- 地域おこし協力隊の任期終了後の住まい、地域の人との人間関係の変化
- 元地域おこし協力隊の方へのインタビューからリアルな経験談を掲載
こんにちは!当ブログを運営している「こばやし @koba_iju」です。
地域おこし協力隊をしながらライターやブログ運営をしています。
本記事では、元地域おこし協力隊へのインタビューを通じて、任期終了時の流れと終了後のお仕事や暮らしの変化についてまとめています。
今回インタビューさせていただいたのは、元地域おこし協力隊の上田さん。
- 上田 幹久さん
- 出身:北海道札幌市
- 経歴:大学卒業後、都内でシステムエンジニアとして従事。2019年から新潟県新発田市の板山地区で地域おこし協力隊へ。鳥獣害対策や小中学生から年配の方向けのイベント企画を通じた交流場所の醸成、大学での講演や地元ラジオへの出演など、マルチに活躍。
- 特技:津軽三味線、スパイスカレー作り
- 地域おこし協力隊活動期間:2019年7月から2022年3月まで、新潟県新発田市で地域おこし協力隊として活動をされていました。
- メディア掲載:以下参照
実際に地域おこし協力隊終了後にどのようなお仕事をされていて、どのように暮らしているのか。
現地に訪れて取材させていただきました。
地域おこし協力隊終了後の「仕事」や「暮らし」のイメージが湧く内容になっておりますので、是非ご覧ください。
インタビューの音声はこちらから視聴可能です。
アプリで倍速再生したい方はこちら
今回は、地域おこし協力隊を経験された上田さんに「地域おこし協力隊のその後」をテーマに、実際の仕事や暮らしを聞かせていただければと思います。
具体的な流れなんかも…
地域おこし協力隊の任期終了1か月前って、何されていました?
そうですね~…これまで3年間やってきた地域の行事への参加や、全市的なプロジェクトのお仕事をしていましたね。
ほとんど、これまでと変わらない生活だったと思いますね。
地域おこし協力隊の任期終了が差し迫っているからと言って、何か特別なことがあるわけではないということでしょうか?
僕の場合だと、任期終了後も地域に残ることを決めていたので、何か急いでやらなければならないというわけではなかったですね。
ちなみに…地域おこし協力隊3年間の任期の中で、いつ頃「地域に残るかどうか」が決まるものでしょうか?
いつ決まったかというと…「2年目の終わり」ですかね~
地域おこし協力隊1年目は地域に慣れ、2年目に本格的な活動を進めて、終わりころに今後の見通しが見えてくるといったところでしょうか?
僕の場合、周りに住んでいる地域の方々の信頼が得られて、この地域で上手くやっていけると確信したのが、2年目の終わり頃のタイミングだったかなと。
周りから信頼を得られたな!って思うタイミングや出来事って、具体的に何かありましたか?
地域おこし協力隊として3年間活動する中で、田舎ならではの作業ってあると思うんですよね。
草刈りや山登りを一緒にしたりとか。
(あるある)
そういう作業で色々な方と顔を合わせることが多くなると思うんですけど、1年、2年と経っていくとだんだんと周りの方に「当たり前のように居るね」という評価をされるわけですよね。
おぉ…
(自分の姿を見て)最初の方は「軟弱そうだね」と思われていたかもしれないですが「上田君がいるなら、大丈夫だね」という雰囲気が出てきたり、自分が居ないところで「あいつはよくやってるよ」という声が、人づてに自分に届くようになったのが、地域おこし協力隊2年目の終わり頃のタイミングでしたね。
なるほど~…自分の良いお話を又聞きで聞くと、めちゃめちゃ嬉しいですもんね!
それは本当に嬉しくなりますね
自分の話が自分の居ないところから聞こえてくる、というのが、地域の人から信頼を得られたという1つの目安にしても良いかもしれませんね。
1か月前は特に変わらず過ごされていたということですが、任期終了日当日は何をされていたんですか?
僕の場合は「何もなかった」です。笑
え?何もなかったんですか…?
一応、契約終了日だと思うんですが…?
僕の場合、地域おこし協力隊の後に「集落支援員という仕事をやってみないか」と打診をいただいていたので、ほぼ続投に近い感じもあり、それほど何か大きく変わることもなかったんですよね。
先ほど「集落支援員」というお仕事の名前が出てきましたが、これはどういったお仕事なのでしょうか?
僕の場合ですと、地域おこし協力隊では1つの集落を対象に活動をしていたのですが、集落支援員ではその活動エリアが広がり全25集落に渡って活動するようなお仕事になりますね。
上田さんは活動エリアが広がったんですね
全国的に言うと「自治会長」の方が生活をしながら地域を見守るような”副業”のような形で行う形態と(報酬は少ない)、地域おこし協力隊の延長のように専属として地域を見守り、実践的な業務に当たる形態の集落支援員(報酬は地域おこし協力隊並み)があり、僕は後者ですね。
集落支援員になろうと決めたタイミングっていつ頃だったんでしょうか?
地域おこし協力隊任期終了の半年前くらいだったと思います。
地域の会長さんと交流や自治体の「集落支援員」制度が採用されたタイミングが重なったこともあり、地域や自治体の意向もあって今の運びになった感じです。
なるほど。地域おこし協力隊になったタイミングでは、もともと集落支援員になる予定ではなかったんですね。
そうですね。そもそも僕のいた自治体は集落支援員の制度は元々なかったので、考えてはいませんでした。
集落支援員って、地域おこし協力隊のようなミッションってあるんでしょうか?
本来あるべきなのかもしれませんが、現在わたしの自治体では「自分で見つけて取り組む」形式ですね。
行政が見つけられていない課題もまだまだあると思うので、地域の中に入り込んで見つけていくようなことが私に期待されているように感じています。
確かに。わたしも過疎地域でお世話になっていますが、中に入らないと見えないことってたくさんありますものね。
そうですね
現状は集落支援員としてお仕事されていますが、集落支援員になる前にその他に考えた任期終了後のお仕事って、何か考えていましたか?
そうですね~
色々な知り合いができる中で「うちの会社どうだ?」とか「うちの組合、パソコンできる人が必要なんだ」とか、けっこう言われましたね。
まだ地域おこし協力隊任期中だったので、直ぐには…と見送りさせていただきました。
任期中にお仕事のオファーがあったということですね!
そうですね
けっこうよくあることだと思います(笑)
僕も心当たりがあります(笑)
地域で頑張っていると、お仕事のオファーもやってくるということですね
お仕事に続いて「住まい」のお話も聞かせてください。
任期中は、活動経費から住まいの家賃を支出することが多い地域おこし協力隊ですが、任期終了後は借りていた住まいどうなりましたでしょうか?
そのまま借りていますね。
僕の場合、集落支援員が市の嘱託職員ということもあり、地域おこし協力隊期間中同様のルールで運用ができました。
集落支援員にも活動経費があるってことなんですね?
細かいところは地域おこし協力隊の活動経費とは異なりますが、大家さんにも了解いただいて、協力隊から継続して同じ住まいに住んでいます。
今後、ご自宅どうするかって計画あったりするんでしょうか?
本当につい最近、大家さんとお話して決めたことなんですが、今年度中にこの家を買い取りしようと思ってます。
おぉ!持ち家になるんですね!
持ち家にしようと思います!
実際に、こうしてご自宅に伺って取材させていただいてますが、お家が広いですしリフォームされててめちゃめちゃ羨ましいんですよね(笑)
6LDKです(笑)
築39年とは言えないキレイさです
「ボーリングできるやん」
— ライターこばだんな|移住の人🧅 (@iju_kobayashike) July 7, 2022
っとおもわず突っ込んでしまった広すぎる廊下。
「地域おこし協力隊のその後」という切り口で新潟の元協力隊に取材しに訪れたんですが、住まわれてる古民家の家の廊下が広すぎた(笑)
6LDK庭付き車庫あり物件が「家賃3万」って田舎の物件破格ですよね。 pic.twitter.com/3Et3pmXFUB
取材当日、ついつぶやいてしまったほどの廊下の広さのお宅
庭もついてるし…
さて、住まいに続いて「人間関係」についてもお伺いしますね。
地域おこし協力隊期間中においては「信頼を積み上げること」が大事だと思っています。
そして地域おこし協力隊期間中、頑張れば信頼は積み上がると思います。
で、その後任期終了後の地域の人との人間関係には何か変化があるでしょうか?
僕の住んでいる集落の方々との人間関係で言えば、日常の暮らしにおいては任期中からほぼ「住民」として迎え入れてくれていて、全く変わらないですね。それを継続してくれていると思います。
いいですね
集落の役員の方々は、今まで「地域おこし協力隊」だからと言ってやってもらっていたお仕事もあったから、なるべく負担をかけないようにしよう…といった声もあるようでして、地域おこし協力隊のお仕事と、その任期が終了していることを理解していただけていると感じています。
素敵な地域のみなさんですね。
本当に理想的な…。
ちなみに、地域おこし協力隊の同期やOBOG、現役の隊員の方たちとの関係性ってどうなりました?
同期については、ちょうど地域おこし協力隊の同期がいない年だったので分からないですが、OBOGや現役の隊員の方との人間関係はほとんど変わらないですね。
あ、そんな感じなんですね?
仕事の面に関しても、僕の自治体では、毎週地域おこし協力隊と集落支援員が合同で定例会議を開催していて、コミュニケーションを取っていることもあるので、ほぼほぼ変わらないですね。
新鮮な枝豆やナスなど(食卓には煮浸しで)を提供してくださったのは(株)いたやま純心村代表井上さん
会議も一緒だと距離感変わらなそうですね(笑)
それに、1つ次のステージに進んでいることもあり、自治体からも地域おこし協力隊のことは「上田さんに聞いて」と言われるような立場になっていますね。
いいですねー!
地域おこし協力隊って入るまでも大変ですが、入ってからの方が大変で、分からないことが多いじゃないですか。そんな時にOBOGが頼れるって、とても心強くて嬉しいですよね。
そういうのは仕事としては降りてこないんですか?
今は、集落支援員の仕事として半分暗黙の了解でやってるところもあるんですね。
でも、ちょうど新潟県の地域おこし協力隊のサポートプロジェクトが始まっていて、そこのエリアごとのサポートメンバーのオファーが来たところですね。
おお!
確か現役中にも新潟県の地域おこし協力隊を束ねるプロジェクトされていましたよね?
ZOOMの企画の…。
地域おこし協力隊トークライブラリーですね。
各15人程度全12回くらい開催したので、延べ150人くらいが参加してくれました。
(発足後僕がすぐに引き継いだ流れで始まったんですけど…)
150人以上が参画…すごいですね。
そういった任期中の実績があったからこそ、新潟県の担当者の目にも留まったんじゃないですかね?
任期中の取り組みがあったからこそ、今回の県のプロジェクトのオファーにつながったと思います。
地域おこし協力隊を終えて3カ月ほどだと思いますが、今後のビジョンは何かお考えなんですか?
集落支援員というのは国の制度なんですが、地域おこし協力隊と違って実は任期がないんですね。
あ、任期ないんですね!?
言ってしまえば、契約が切られるまで続けられるという仕組みです。
僕の自治体では、制度が始まったばかりということでひとまず3年という任期つきで始まっています。
自治体によっては、期間の定めがあるんですね
集落支援員を3年間継続するかは分かりませんが、この仕事を通じて地域おこし活動に取り組みながらも、次のステージを考えていく計画です。(まだ言えないことも…。)
この地域に住み続ける限りは、趣味みたいなレベルでも地域おこし活動は続けていきたいですね。
地域とのつながりって、卒業してもなくなるわけではないですもんね。
これからも活躍が楽しみです。
最後に、地域おこし協力隊に挑戦したい人や、卒業を控える人へ一言お願いします!
地域おこし協力隊として成功している人を見ると、早い段階から卒業した後のプランを描いていると感じます。
卒業日って決まっているので、そこに向けて早めに準備することに越したことはないと思います。
色々考えて、3年間を過ごされると良いのかなと思います。
早めの準備…
そう、準備って大事ですよね。
これから地域おこし協力隊を目指す方、卒業を控える方の参考になる話が聞けて良かったとと思います。
本日はありがとうございました!
地域おこし協力隊に興味のある方は下記のまとめ記事もあわせてご覧ください。
今回お話いただいた方:上田さん( @itayamagram )
取材・撮影・執筆・編集:こばやし( @koba_iju )